「もんじゅ」の行方

水 旧暦 1月10日 仏滅 己巳 三碧木星 Alexandra Sandra V7 24469 日目

色々な分野で世界の先端を行く日本の科学技術であるが、何故か高速増殖炉もんじゅ」では躓いてゐる。最初に躓いたのは 1995年であるから、今からもう20年以上も前である。20年も経てば技術は一般に新しいものに置き換はると思ふが、原子力の設備などは簡単にアップグレードできないから、昔設計された設備をいつまでも引摺ることになる。「もんじゅ」はその維持に多額の費用を必要としながら、進むに進めず、引くに引けずの状況に陥ってゐる。いっそやめてしまふことも選択肢の一つだと思ふが、さうなれば六ヶ所再処理工場も閉じられることになるだらうし、何より国家百年の計の見直しとなるから、誰も早計な結論を出すことができない。一度撤退すれば未来永劫、日本が高速増殖炉に着手する機会は失はれると思ふ。世界的な流れで言へば、高速増殖炉は今後必要な技術になる気もする。しかし、日本では当分は優秀な学生が原子力工学を選んで学ぶ傾向は見られないと思ふので、さうなるとますますこれからの維持が難しいのではないか。「もんじゅ」のことを思ふと気持ちが暗くなってしまふ。