初の重力波観測

木 旧暦 1月4日 仏滅 癸亥 六白金星 建国記念の日 Yngve Inge V6 24463 日目

午後着信したメールの中に重力波検出成功のニュースがあった。発見したのはアメリカの National Science Foundation で、スウェーデン時間で16時30分から記者会見の実況中継が YouTube で見られるとそのメールに書かれてあった。で、ちょうどその時間になったので僕もそれを見た。この発見は、科学史上では、400年前にガリレイが望遠鏡を使った観測を始めたことにも匹敵するほどの一大エポックであるとのことであった。2つのブラックホールが互ひに回りながら近づき遂に合体した時に時空が揺れて伝搬すると言ふ。その重力波検出のためには巨大な干渉計を使ふ。X軸方向で反射した波とY軸方向で反射した波との干渉を見て時空の揺らぎを検出すると言ふ。その技術は19世紀にマイケルソン・モーリーが行った実験と原理的には同じである。マイケルソン・モーリーは地球の動き方で光の速さの観測に差が出ることはないかを調べたのだが、光の速さは観測する物体の運動に依存しないことが分かった。それでアインシュタイン特殊相対性理論の前提条件の正しさが証明された。21世紀の干渉計は重力波の検出のために開発された。ここでもまたアインシュタインが登場し、その一般相対性理論の正しさが証明された。一方は干渉が出ないことを示し、他方は干渉が出ることを示した。世紀を超えた大発見のいづれもが干渉計を用ゐ、いづれもがアインシュタインの理論を裏付けるものであることは興味深い。21世紀の干渉計は驚くべき測定精度で、よくもそんなことができるものかと不思議に思ふほどである。重力波の存在を示す干渉の波形は1か所で測定されただけでは測定誤差かもしれないので説得力がない。今回の発見はLIGO Livingston(ルイジアナ州)と LIGO Hanford(ワシントン州)の2か所で別々に測定され、それらの波形がピタリと一致したことで動かぬ確証となった。LIGO ではインドでも建設が進められてゐる。日本でも KAGRA が完成し、まもなく観測が始まると言ふ。日本が一番乗りにはならなかったが世界的なネットワークで重力波観測の信頼性を上げていって欲しいと思ふ。