堀江貴文の「刑務所わず」

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堀江貴文の「刑務所わず」を Kindle 版で読んだ。刑務所暮らしの実際ってもっと暇なのかと思ってたが、雑用がたくさんあって、係も決められてゐて、意外と忙しいものらしい。何より、受刑者間に厳しい序列があって、一つの社会を形成してゐるらしく、オヤオヤと思った。何年も前のことなのによくここまで細かくメモしてあったなとも驚いた。この本を読んでちょっと感心したのは、「俺が何故こんな目に会はなきゃならないんだ?」といふ抗議や怒りは文面のどこにも感じられず、逆らふこともなく成り行きを受け入れてゐる様子であることだ。そこが偉いと思った。この人は多分、現代人である割には「諸行無常」とか、「因果応報」を素直に認める人で、その事が強い意志を持つこと以上に、この人の強みである様に思はれた。そしてこの本の最大のメッセージのひとつは、受刑者と言へども特別に悪い人間ではなく、ごく普通の人たちなんだといふ事実を伝へることである。僕らはどうしても前科者といふ偏見を持って人を見てしまふが、実は彼らは市井の人と何も変はらないのだといふ指摘に、僕らも耳を傾けるべきであると思った。