ICHOS & FOLD

土 旧暦 9月26日 仏滅 丁亥 一白水星 Ingegerd Ingela V45 24367日目

僕らの住む町から旧道に沿ってストックホルムに向かって北上すると、その半ばほどの所にイットレヤーナと呼ばれる地域がある。その人里離れた感じの場所にポツンと立派なコンサートホールがある。今日はそこで竹原美歌さん(と書くより、Mika Takeharaと書いた方が通りが良いかも)の打楽器の演奏があったので同居人と聞きに行った。打楽器の演奏と言っても、ダンスとの共演であったので、Mika さんはステージ上手の一隅にシンバルの様なものやらドラム缶やら名前の知らないたくさんの打楽器を集めて、まるで黒子の様な衣装で動きながらそれらを演奏した。床に座って和太鼓を叩く場面もあった。それがまたスポットライトによく映えるのである。舞台の中心には Virpi Parkinen といふ踊り手が広い舞台でひとり踊った。およそ1時間近くも続く激しい動きの連続であった。楽譜もないのに長い曲の演奏や踊りの順序をどうやって覚えるのかなと不思議であった。また、照明が効果的で、場面に合せて操作する人も演奏者のひとりであるに違ひなかった。踊りそのものも、どんなイマジネーションの産物なのかは分からないが、「ある朝目覚めたら虫になってゐた」といふ変身物語を連想させる様でもあった。ヒトのカラダの関節はそんな風にも動くものかと驚く様な動きで、巨大な昆虫の動きを見る様でもあった。後半になって、もうひとりの踊り手 Fredrik Quinones も登場し、その二人はある時は敵対する様に見受けられ、またある時は協調する様に見受けられた。全体として、時々和風のイメージが盛り込まれてゐて、興福寺の阿修羅像が踊りだしたかと思はれる場面もあった。ともかく不思議な踊りであった。プログラムのタイトルには ”ICHOS & FOLD” と書かれてゐた。