言霊の幸ふ国

木 旧暦 12月10日 先負 乙巳 六白金星 Diana V5 24096日目

日本は万葉集時代には「言霊の幸ふ国」と呼ばれることもあった。言葉には霊力があって、それが一度口をついて出ると、良くも悪くも人に作用するものと考へられた。僕は今でも「言霊」を感じることがある。ある決心をしても、心の中にしまって措いて表に出さなければなかなか実行できないが、一度それを口に出して言ってしまふと、その言葉が力を得て動き出し、自分に強い圧力をかけて来て、結構上手く行くことがある。しかし、何でもかんでも口に出して言って良いものではない。「言ひたいことがあるならハッキリ言ひなさい」と促されてつい口にしてしまった言葉に後で悩まされることは良くある。「人の悪口を言はない」ことも忍耐のひとつであるが、そこでも「言霊」は生きてゐると感じる。自分が語ってしまった言葉のために自分が苦しむのであれば、自業自得と諦めるしかあるまい。言葉は両刃の剣である。現代では呟いた言葉はいつまでもしっかりと機械に記憶されてしまふ。