寒い歌

金 旧暦 11月26日 赤口 壬辰 二黒土星 Hjalmar Helmer V3 24083日目

一年で一番寒い季節を迎へてゐる。が、ここは北欧の地だといふのに今日も気温はプラスであった。北極の熊たちはより安全な氷を求めて移動してゐると言ふニュースも見た。北極の氷はそのうちになくなってしまふかもしれない。今日は風が強かったので寒く感じた。気温がプラスになると氷と水がとけあって、道路はツルツルになり、滑って危ない。安全運転のバスでさへ路肩へ流されたり、事故が起きたりしてゐる。自転車の僕はゆっくり走るが、懸命にこいでも一瞬止められてしまふほど向かひ風が強かった。いつも通る橋の上で降りて写真を撮ってみた。その時なんとなく西行のうたを思ひ出した。

津の国の難波の春は夢なれやあしの枯れ葉に風渡るなり

名歌だと思ふ。序でに寒い歌を思ひ浮かべる。和歌と俳諧からひとつづつ。

葦辺行く鴨の羽交ひに霜降りて寒き夕は大和し思ほゆ (志貴皇子

捨舟のうちそとこほる入江かな (野沢凡兆

かういふ寒い名歌たちのためにも、僕たちは地球温暖化を阻止せねばならない。