麩市バラ園

月 旧暦 4月28日 先勝 丁酉 一白水星 Vilhelmina Vilma V22 23847日目

交通の不便な町に暮らしてひと月あまり経った。あまり出かけることも無いし、そのことでストレスになることは全く無い。むしろ家に居る方が落ち着くので、ここは僕にとっては住むのに適したところである。日本では自動車を運転しないことに決めたから今はもう日本の運転免許証も持ってゐない。自転車で行くことの出来る範囲内だけを動いてゐる。行動半径約5キロメートルといったところだらうか。プールに行く時だけは自転車を使ふ。歩いてすぐのところにスーパーがあり、ホームセンターがあり、クスリの店があり、宅配センターがあり、郵便局があり、図書館があり、本屋もある。生活に必要な買ひ出しは歩いてできるのがありがたい。それ以外のものはネットで買ふのでますます外出の機会が減る。さういふ僕を友達は誘ってくれたりもする。「ヨーロッパに帰る前にランチでも食べに行かないか」と電話あり、すぐに「良いとも」と答へた。しばらくしたら別の友達からも同じ電話あり。いづれも一昨日の同窓会の仲間であるのでそれなら一緒にどうだと言ふことになった。先に電話をくれた友と奥さんが僕を家まで迎へに来てくれて、4人は福井市内の食堂で会った。計画した訳でもないのに綿密に予定された同窓会の続きみたいな雰囲気になって楽しいランチであった。その帰り、せっかく福井まで来たのだから、足羽山の下の水道記念館隣の麩市バラ園に連れて行ってもらった。雨だったので園は閉まってゐたが、園はそのお宅の庭であるので外からでも十分立派なバラの数々を見ることが出来た。その後、また家まで送ってもらった。かうして友情は時折僕の行動半径を広げてくれるのであった。