ツァラトゥストラはかく語りき

2013-10-22 火 旧暦 9月18日 友引 辛酉 九紫火星 Marika Marita V43 23632日目

ツァラトゥストラはかく語りき」と言へば、リヒャルト・シュトラウス交響詩を思ひ起こし、映画「2001年宇宙の旅」を思ひ出す人も多いと思ふが、あの音楽がニーチェの著作とどのやうに関はってゐるのかは僕にはよく分からない。ところが、その同じ題名で3年前に作曲された曲をバリトン歌手とピアノと俳優の朗読との構成で聞かせると言ふ催しが昨夜あって、Norrköping まで出かけて来た。いつもはコンサートには同居人と一緒に出かけるのであるが昨夜はひとりで行くことになった。バリトン歌手は Johan Wällberg ピアノは Mats Jansson、曲と曲の間に朗読が入り、それを Christian Zell が演じた。観客の中に作曲者 David Tigranov の姿もあり、後で知ったのだがプログラムを見ると、初演を聞くと言ふ光栄な機会に浴したのであった。第1部から第4部の構成になってゐて、より直接的なニーチェの著作を歌にしたのだと思ふ。歌手の表情もお芝居を連想させるやうな展開で、全体の演奏時間も1時間に及ぶ大作であった。コンサートの前半には、1964年生まれの作曲家 B. Tommy Andersson の Pieces for Pontus、Johannes Brahms の Vier ernste Gesänge Op.121 が演ぜられて、全体におごそかな感じのコンサートであった。